受賞の知らせはうれしいものですね！受賞だけではなく、一曲披露していただいて。
有名デザイナーの服に身を包み、本当にうれしそうなフジ子さん。まるで愛猫ちゃんを抱くように、トロフィーを胸に、スピーチしました。
「私は捨て猫や捨て犬の世話をして、弱い動物たちの面倒をみたので、神様が私にこのような御褒美をくださいました。だから、みなさまも、どうか弱い動物たちを大切にしてください」
NHKホールの若者は立ち上がり、喜んで、フジ子に答えていました。
「ピエロ」という題がついた素敵なお洋服。カラフルな色使いなのに、紫と黄色がフジ子のお顔を浮きだたせていました。爆発（？）したような髪型も良くお似合いです。
この日はロックやポップスなど、あらゆるジャンルのCD売り上げに対するアーティストへの受賞式でしたので、会場はいつものクラシックの雰囲気とはずいぶん違って、熱狂する若者であふれていました。そんな雰囲気の中、フジ子は静かにピアノに向かいました。
受賞したCD「奇蹟のカンパネラ」から、一曲、弾くために。
椅子に腰掛け、両手を膝の上へ置いて、じっと天を見つめ、静かに鍵盤へ向かうと、それまでにぎやかだった場内が、し〜〜んとなりました。そして、一音が、、、
一曲だけ弾くことは、とても恐いのです。だんだん体が温まって、指もなじんでくるのですが、ただ一曲だけ弾くということ、、、どれだけ神経を使ったことでしょう。
でも、そんな心配なんてなんのその。フジ子の「愛の夢」は私たちをうっとりさせ、ひたむきに純粋に一つのことをやり遂げる勇気を与えてくれました。
弾き終わったとき、し〜〜んとしていた場内に「わあ〜」という興奮とためいきがわき起こり、司会の赤坂さんが、思わず客席へ向かって「気持ちよかったね！よかったね！」と喜びを分かち合っていました。ほんとうによかった！心のこもった素晴らしい演奏でした。
ゴールドディスク大賞！おめでとうございます。