若き日
ラフマニノフを弾いていた頃
フジ子さんはラフマニノフを好んで弾いていた。
オーケストラの団員はそのソリストの輝きに圧倒された。
1956年、日比谷公会堂にて
日フィル発足当時団員だった演奏家の懐かしき思い出。
フジ子さんはたびたびソリストとして迎えられた。
天才ピアニストの選んだ曲はラフマニノフピアノ協奏曲。
なめらかに鍵盤を這う指から２番が、、３番が、、生まれた。
サンソン・フランソワ、安川加寿子も演奏会へ来ていた。
フジ子さんはうまく弾けたとき、ステージ上で笑っていた。
ラフマニノフと会話しているかのように。
躍動感みなぎる迫力、可憐なステージは今も変わらない。
はにかむ笑顔。
演奏会の後、あるレストランで二人が食事をしていた。
ワインを飲みながら楽しそうな会話。
フランソワと安川さんだった。
若き天才ピアニストがこの世に誕生した。
その後、フジ子さんはドイツへ一人旅立った、、、。
音の香り、余韻だけを残して。
写真撮影：HP管理人
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