フジ子・へミングの渾身の力を注いだリサイタル終了後、感動と興奮の中、楽屋へおじゃました。今日はNHK「ETV2001」の収録や新聞社の取材で相変わらず楽屋は賑やかだった。
フジ子さんの衣裳、お手製の懐かしいあの七五三の着物をアレンジしたもの。楽屋へ行くとしきりに取材記者へ「長崎のおきざり動物」の話しをしていた。
さっきまでピアノを弾いて聴衆を魅了していたフジ子さんが、ステージそでに姿を消してまだ間もないのに心は捨てられた動物たちへと向いていた。
長崎の30匹の動物たちを助ける話しを夢中でしていた。
「ホームページで紹介してね」と言われるまでもなく、私はシャッターを切りながら胸の熱くなる感情を抑えることに懸命だった。
ステージ上でピアノを弾いている最中、彼女はふとどこかへ旅立つ瞬間がある。
楽屋で彼女と逢った瞬間、「長崎の30匹の捨て猫」が気掛かりだったのだとわかった。
関西地方での公演の収益はすべておきざり動物たちへ捧げられる。
あの日２００１年３月１４日NHKホールでの受賞インタビューが忘れられない。
「弱い者、捨て犬、捨て猫たちを救いたい。私は動物たちに助けられて、ここまで生きてこられたのです。もうそれしかないから。」