2000年10月17日（火）19：00開演
＊シューベルト 即興曲 ＯＰ９０−３
コンサートの出だしにふさわしいこの曲。美しくやわらかな調べにのってフジ子さんのリサイタルは始まりました。前半の衣装はアレンジした黒のジャケットにパンツルック。聴衆は息を飲んでフジ子さんを迎えました。広島での初公演、チケットはもちろん売り出しまもなくで完売でした。チケットを手にした人々は最高の夕べを過ごす幸運を得ました。
＊ショパン マズルカ４７番ＯＰ６８−２
夜想曲ＯＰ９−１
夜想曲ＯＰ９−２
ショパンの曲の始まり・・・フジ子さんのショパン。他の誰にもまねの出来ない弾きかた。フジ子さんの音。もう何時まででも浸っていたいような柔らかく心地良い音。
この日、私は特に願っていた夜想曲ＯＰ９−２を初めて生で聴くことが出来て夢心地でした。祈りは通じるものだ・・・フジ子さんの手の動き、ペダルの踏み方、私は全神経を集中させて拝見しました。私の友人は涙していました。
クラシックを普段聴かない彼女が心から感動していましたこの曲に。
＊リスト ため息
乙女の願い
葬送
愛の夢
ラ・カンパネラ
この中で、一番凄かったのは「葬送」でした。主観ですが、本リサイタル中最も凄かったでしょう。平和公園にあるホールから響くフジ子さんのピアノの音色が死者の魂を癒しているかのようで、私は祈らずにはいられなかった。頬をつたう涙。
私は世界一流のピアニスト達の奏でる「葬送」をよく聴いていますが、このような「葬送」はいままで聴いたことがありません。もう、何かを越えるものがありました、うまく言えませんけどね・・・
＊スカルラッティー ソナタＫ３８０
ソナタＫ１５９
休息が終わって、始まったこの２曲。すごくかわいい音色でした。純粋でホッとするような音色。こんな感じで弾けませんよ、なかなか・・・ 私達が普段忘れている心の奥底にあるものをフッっと出してくれる、フジ子さんのピアノ。
＊シューマン 謝肉祭ＯＰ９
ああ、この大作を気負いを感じさせることもなく弾けるなんて。前に聴いた時とはまた違っていた（フジ子さんの別のリサイタル）・・・弾くたびごとに違いがある。曲を聴いていて物語が浮かんできそうな感じでした。フジ子さんは詩人ですね。
全ての曲が終わって、拍手喝采、というより拍手の嵐！（あ、後半の衣装は黒地にカラフルな水玉がちりばめられた、フジ子さんにしか似合わないあの素敵なお洋服に黒の長い薄てのストール、肩に蝶々のブローチでした。）にっこり出てこられたフジ子さん、アンコールに応えてシューマンの「トロイメライ」をお弾きになりました。沢山のアンコール曲、ツアーの日程を知っているので、私は内心、どんなにお疲れかと少し心配でした。ドビュッシー「月の光」、モーツアルト「トルコマーチ」、リスト「ハンガリー狂詩曲」を弾かれ、ブラームス「ハンガリアンダンス」で終演を迎えました。
どの曲も素晴らしかった。一曲一曲丁寧に聞きました。
フジ子さん本当にありがとう！最高の夜でした。
何時までも忘れないでしょう、この夜のことは・・・
広島の風さん、お便りありがとうございました。リサイタルの感動が伝わってきます。特にアンコールはすごいですね。フジ子、ブラームスもいいですよね。
「2000年の活動」コーナーへ掲載させていただきました。
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