尼崎市総合文化アルカイックホール
広島の風
2000年11月29日（水）19：00開演
アルカイックな夕べ
尼崎という地に初めて赴いた。フジ子・へミングのリサイタルが開かれることの恩恵により初めて訪れるこの町。
”アルカイック・ホール”という洒落たネーミングの会場、私は数ヶ月も前からワクワクしてその日を待っていた。会場は思っていた以上の広さで、フジ子さんの人気ぶりをまたここで痛感させられた。もちろん、１８２０ある固定席は埋め尽くされ、惜しくもチケットを逃がした人が当日の立ち見券で１階最後列を陣取っていた。９割女性。私は妹に頼んでチケット販売開始時刻から電話を広島からかけさせたにも関らず、１階後方の席だった。でも、席が取れただけ幸い。また、フジ子さんのピアノに
浸れる機会を手にした。駅前のカフェでアペリティーヴォを飲みいい気分のまま演奏会に・・・
- ＊シューベルト 即興曲
アッ、うわさに聞いたあの純白のドレス。ドレスの裾が舞台を舐めるその美しさ・・・フジ子さん、とてもお似合いでした。みんなの歓声、フジ子さん、美しいですね。
- ＊ドビュッシー 月の光
亜麻色の髪の乙女
亜麻色の髪の乙女、始めて聴かせてもらいました。コンサートが始まったときから、なんだか御伽噺の世界にひきこまれているようでした。
- ＊ショパン ノクターンＯＰ９−２
ノクターンＯＰ１５−２
バラード１番
エテュード黒鍵、別れの曲、遺作、革命
バラードの１番、これは最高に良かった。初めてなまで聴いたのもありますが、ああ、次回ぜひＣＤにいれて欲しいですね。「バラード、こんなに良かったのか」なんてうならせるほどでした。遺作は個人的にとても好きなエテュード。なんでこんなにノスタルジックに弾けるのか？私の後ろの席の方から、「黒鍵を弾いてもらえるなんて！」という声が上がっていました。ショパンのエテュード、練習曲なのにこれだけ難曲ぞろいはないですよね。ピアノ弾いている人にとって、フジ子さんの弾きかた、すごく参考になっているみたいですね・・・
- ＊リスト ため息
葬送
愛の夢
ラ・カンパネラ
休息が終わってリストづくし。衣装を替えられてあの、黒地に水玉模様の西田武生さんのアレ。お隣から「かわいいのがすきなんやねぇー」と関西弁が耳に心地良い。本日の鐘は最高に響き渡っていましたよ！本リサイタル中最高でした。また、これまでに聴かせていただいたものの中でも絶品中の絶品、、といっても過言ではないような・・・観客うなっていましたよ・・
- アンコール４曲
＊トロイメライ、トルコマーチ、子犬のワルツ、ハンガリアン舞曲
- でした。
最初から最後まで、ひとつの物語を聴いているような感じで、いわば「川の流れ」を感じさせるリサイタルでした。全体に起承転結がある・・・うまくいえないが・・聴き終わって後、胸にいつまでも残るような・・・
広島の風さん、尼崎アルカイックホールでのリサイタルの雰囲気が伝わってきます。アルカイック（古風な）ギリシャ建築のような雰囲気のホールを想像しながら、川の流れのようなフジ子のリサイタル。終わりのない残響がいつまでもアルカイックに漂っているように思われました。ありがとうございます。