２０００年７月５日（水）１８：３０開演
梅雨の晴れ間の上野、台風が過ぎ去ってほんとにいいお天気でした。
2000年特別演奏会の２回目です。このシリーズは全３回で次回は１２月２０日。
前回の５月２０日の興奮が甦ります。開演前のロビーではフジ子さんの写真や絵が載っている小冊子が出ていたり、来年２月の初個展のご案内はがきを何枚かいただいて、さっそくホールの中へ、、、。あっ、もちろん、 CD や本も盛んに出ていました！
ざわめくホールへ足を運ぶと、ステージは前回とは違って何か舞台装置がありました。
階段とその上には十字架が、、、それを背景にピアノが静かに置かれていました。その舞台装置は翌日からのモスクワバレエ団の「ロメオとジュリエット」のセットでした。でもそんなことは言われてみなければわからないくらい、フジ子さんのリサイタルにもマッチしたものでした。十字架の影から天国へ行ったフジ子さんの逢いたい人たちが、やってきて、フジ子さんを見守っているように思えました。お母さま、お友達、もちろん、リストやショパン、ドビュッシーだってやってきていました、、、きっと。
牧童の笛 Op.25-1
黒鍵 Op.10-5
別れの曲 Op.10-3
革命 Op.10-12
遺作
木枯し Op.25-11
アンコール、、もう皆さまご存じのように、これがアンコールなの？と思わせるほどのエネルギーで、数曲、弾かれました。２ステージの価値は十分にあると感じるほどのサービス精神で、拍手をするのが申し訳ない気もしてきました。鳴り止まない拍手をステージのそでで聞いて、答えようとふらふらと歩いてくる姿に聴衆は感激して、ホールが割れんばかりの歓声です。ラ・カンパネラの出だしで皆が思わず「わあ～！」っと叫ぶ声をフジ子は右手で「シーー」っと制止ながら弾き始めました。その姿のなんとチャーミングなこと！素敵です。でも、真剣勝負の構えが伝わってきます。すぐに聴衆は聞き入りました。カンパネラに、、、。よかった！ブラボー！フジ子！
おまけに、舞台セットを使うモスクワバレエ団公演の宣伝までして。「みなさん、明日から４日間バレエの公演がありますから、観に来てください。チケット、まだあるそうですから。」と。