その日、鎌倉芸術館のホールは超満員の聴衆であふれていました。
子供たちがとても多く、ピアノを習っている子供たちにフジ子の音はどんな風に届いたことでしょうか。フジ子がステージへ登場したとき、隣りに座っていた女の子が身を乗りだして、早く聴きたいと言わんばかりに「わあ〜」と小声で叫びました。
フジ子のドビュッシー、、、待っていました。
2000年1月28日（金）19：00開演
〜プログラム〜
ドビュッシー： 版画 塔 グラナダの夕べ 雨の庭
ショパン： 夜曲 革命
リスト： いずこへ （シューベルトの歌曲「美しき水車小屋の娘」）より
魔王 （シューベルトの歌曲「魔王」）より
葬送 （詩的で宗教的な調べ）より
ためいき （演奏会用練習曲）より
ラ・カンパネラ （パガニーニによる大練習曲）より
スカルラッティ： ソナタ ホ長調
ハ長調
シューマン： 謝肉祭
自然をそのまま音にしたような、新鮮で光り輝く一音一音に無限の広がりを感じます。
雨上がりの木々にしずくが落ちて、葉の喜びやきらめきを歌っているようなフジ子。
誰に、何を主張することもなく、ただ無心にピアノに向かい、問いかける。そんな一途な姿勢に心打たれるのです。