フジテレビ秋の特別企画ドラマ

「フジ子・へミングの軌跡」

2003.10.17（金）21:00〜23:15（初放送）

フジTV全国ネット

「リストとショパンを弾くために生まれて来たピアニスト」

若き日、無国籍の彼女はヨーロッパでそう、評された。

将来を嘱望されたが、世界デビュー直前に聴力を失い長く貧しい絶望の日々を送る。

「もう、聴衆の前で演奏する事は無い・・・・」

日本の地を再び踏んだ彼女は、静かにそう思っていた。

しかし、復活を遂げたのは、３５年振りのかつての冷たい国・・・

日本での事だった。

実在した主な登場人物（モデルになった人物含む）

菅野　美穂・・・ピアニスト　イングリット・フジ子・フォン・ゲオルギーへミング

十朱　幸代・・・母　大月投網子

谷原　章介・・・近藤　東京芸大指揮科生　フジ子の才能に気付き励ますが自らの命を棄てる。

ウエンツ瑛士・・・弟　ウルフ

松尾　れい子・・・加奈子　日本人留学生・ベルリン音楽大学ピアノ科生

真行寺　君枝・・・カナエ　バイオリニスト　母、投網子の友人

********＜特別友情出演＞***********

小林　　桂・・・ケン・高級中華料理店「福禄寿」の客

玉山　鉄二・・・高野・東京芸大器楽科生

田山　涼成・・・区役所戸籍課役人

東　　幹久・・・法務局戸籍課役人

陣内　孝則・・・佐々木・NHKラジオのプロデューサー。フジ子の才能を高く評価した人物。

岡田　真澄・・・ドイツ大使・赤十字難民で留学の手配を全てしてくれた後、フジ子留学直前に急死。

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野際　陽子・・・伯母　大月吉野　投網子の姉。三鷹台に住む。日本画家。中村岳陵画伯の弟子。

宇津井　健・・・耳鼻科医

登場する歴史上の人物の紹介

ジョスタ・ゲオルギー・へミング・・・父　ロシア系スウェーデン人。貴族学校で教育を受ける。ベルリンの映画会社で広告デザインをしていた。デートリッヒ主演映画「上海特急」のポスターや「朝日イブニングニュース」（国会図書館所蔵）の風刺画等を手掛けた。

ヘルベルト・フォン・カラヤン・・・指揮者、1955年にベルリン・フィルの終身音楽監督に就任。

レナード・バーンスタイン・・・指揮者、ピアニスト、作曲家。ハーバード大学で理論と作曲を学ぶ。ニューヨーク・フィル、ウィーン・フィル等を中心に欧米の主要楽団へ客演。映画「ウェストサイド物語」の作曲は余りにも有名。

レオニード・クロイツァー・・・指揮者、ピアニスト。４３才でドイツ国籍を得る。ベルリン音大教授、芸大教授、国立音大技術最高指揮者等に就任。その後、無国籍となる。演奏中に心筋梗塞を起こし死去。年末恒例の「第九」を広めた人物。千葉の墓地に眠る。

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収録スタジオから

フジ子役、菅野美穂と母、投網子役、十朱幸代

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ドラマ「フジ子・へミングの軌跡」製作より

フジ子・へミングの言葉を抜粋

〜　譜面どおりじゃなくてもいいじゃない。機械じゃないんだから。

そのくらい敏感で繊細じゃないと、ピアニストなんて務まらない。〜

・・・「やっと夢が叶う、と思ったら耳が聞こえなくなって奈落の底に突き落とされた。もがき苦しんでいるうちに、人の噂が聞こえて来ない生活がだんだんと快適に思えるようになった。ひがんではいけない。どんなことでも受け入れていくのが人生よ。その人生を与えられたのだから」・・・

・・・「すべてを望んでも、手に入らない。愛する人も、温かい家庭も望まず、

私は音楽と見捨てられた動物達だけを望んだ。

幸せが入る大きなポケットは皆同じ。

何もかも望んでもポケットには入りきらないのよ」・・・

・・・「小さい頃から私は偏見にさらされていた。日本では外国人。

ヨーロッパにいても私は外国人。国籍なんて生きて行く上でどうでもいいこと。

私に祖国なんてない。」・・・

「今になって真実と思えることがある。じぶんでは他人に言えない程、

辛い思いをして来た。一人で苦労をして来たと思う。

でも、今思うと、それらを振り払う前向きに生きる力を与えてくれた最初の一歩は、やはり母だったのだとしみじみと思う」

資料、写真提供：フジテレビ広報部、講談社

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